ソール・ライター作品集『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』(青幻舎)を購入しました。
残されたスライドフィルムからソールの傍で全ての作品集の編集に携わったソール・ライター財団創設者マーギット・アープ選出の未発表作品76点が収められています。やっと我が家にやってきました。
この作品集は、ブックフェスティバルのあった日に神保町の三省堂で心奪われたものの、3800円+消費税でちょっと迷ってしまいました。忘れられなくて、丸善に買いに行ったら売り切れ、咄嗟に電車に乗って三省堂に行くと、見本として展示されていた(と言っても販売分として入荷したもの)最後の一冊のみ。お店の方も汚れを確認してくださいねと仰ってくださって、納得できたので定価で購入できました。
ネットでは定価より高額で販売されていて、いくら欲しくても定価で買うと決めているのでそれはなしだったのでホッとしています。三省堂は本社ビルが改装中で駅から離れた仮店舗なので奇跡的に残ってたのかも。
中はブラックの紙にスライドフィルムのフレーム越しに見ているかのようにに表現されていて、ソール・ライターの美しい色が夢を覗いているようです。殆どが35mmコダクロームです。
ソール・ライターの性格が自分とちょっと似ているような。。そんなところも好きな理由の一つかもしれません。ラビの父親の元、この感性を持ちながらアートを拒絶する世界に居た居心地の悪さ、想像以上に大変だったと思います。ヘンリー・ダーガー然り、こういう内に籠る人の作品に惹かれます。
著者の一人、マイケル・バリーロ氏の文章にソール・ライターが言った言葉が載っていて、引用はしませんが、それは目立つ行動で天下を取ることをよしとする世界と反対側に生きる人に勇気を与える言葉でした。その一文で「それで良いんだ」と思いました。そんな人の作品の方が惹かれる人はいる。私がまさにその証拠です。
飾って、開いてずっと見ています。