深瀬昌久 救いようのないエゴイスト at DIESEL ART GALLERY

fukasemasahisa

渋谷 DIESEL ART GALLERYで「深瀬昌久 救いようのないエゴイスト」展を観てきました。

深瀬さんは、自分の妻、自分、カラス、猫など、自分の身近にある人や物を写しつつ、自分とは何か?を問い続けた作家と言われています。

「いつも愛する者を、写真を写すという名目で巻き添えにし、私も含めて誰も幸せにできなかった。写真を撮るのは楽しいか?」

「すべてをやめたいと思いつつ写真するぼくの作業は、いま生きていることへの復讐劇かもしれない」

この深瀬さんの言葉を読んで、ハッとしました。私も愛する者しか描けないし、写すことも出来ません。自分の愛を感情を作品にするしかないのです。でも、愛する者達はどう感じているのか?幸せなのか?そして、私の愛情は、ぷっつりと終わるかもしれない。もう描かない、撮らないその瞬間に、私は対象への愛の終わりを悟るのだろうか?

そんなことをぼんやりと感じながらも作品を作っている自分と深瀬さんが重なります。深瀬さんは何年も撮り続けた妻と離婚しています。そして、作品は、今で言うセルフィー(自撮り)へと変化して行くのです。「やめられない」そう言いながら自分を撮り続ける深瀬さん。滑稽だけれど、とても同感する部分でした。

還暦を迎える直前に、なじみのバーの階段から落ちて脳に障害を持ち、写真家としての活動を再開することなく亡くなってしまった深瀬さん。過去の恋愛のドロドロも含め、あああやっぱりアーティストって人は!と思わずにはいられませんでした。私はこの先どうなっちゃうんだろうなんて思ったり。

カラスと太陽というとても命を感じるシリーズも良かったです。

救いようのないエゴイスト
アーティスト: 深瀬昌久(ふかせ・まさひさ)
会期: 2015年5月29(金)- 8月14(金) 会場:DIESEL ART GALLERY (DIESEL SHIBUYA内)
WEB:www.diesel.co.jp/art

ここのギャラリーは良い企画多いです。