涙する自分へ

"Crying" photo by Kanoko

本屋さんで吉本ばななさんの「切なくそして幸せな、タピオカの夢」という本が目に留まったのでその場で読んでみました。小説ではなくてイラストと短い文章が並んでいる絵本のような本でした。そこに書いてある言葉を読んでいると、胸がいっぱいになって涙が流れてきました。頬を何粒もの涙が伝わります。周囲にはたくさんのお客さま。

立ち読みをしただけで泣いている自分に少し驚きました。でも、またか。とも思ったのです。私は、絵を観たり、映画を観たり、音楽を聴いたり、ニュースを見たりしてその当事者や文章にものすごく共感してしまい、その場で泣いてしまいます。

これは、悲しい内容だけではなく、好きな絵だったり、誰かが愛されている場面だったり、色んなことで胸がいっぱいに、それこそ張り裂けそうになります。

ただ、興奮して同じものを人に見てもらうと、「これのどこが?」と言われることが多いことに気が付いていました。だから、やたらめったらと自分が興奮したからと人に勧めるのは考えてからにしています。

自分のこの性質に少し考えることがあったのですが、最近「HSP」という性質があることを知りました。生まれ持った性質であって生涯変わることがないのだそうです。HSPはハイリー・センシティブ・パーソンの略で、人口の15〜20%を占めるようです。

「処理の深さ」、「感情的反応性」、「高度な共感性」、「些細な刺激に対する感受性」の4つを持っていて、いわゆる内向的と表現される人であったりします。

この診断テストがあったのでやってみると「非常に強い可能性がある」と出ました。詳しい特徴を読むと、まあ殆ど自分そのまんまでした笑。《人の感情や雰囲気に強く反応してしまう。小さな意図に気がついてしまう。些細なことに刺激を受けてしまう。嫌なことだけでなく、楽しいことにも刺激が多すぎる。一般とは違う洞察を持つが、それを披露することを恐れる、口に出すことは自分にとって刺激が強すぎるから。人に監視されていると能力を発揮できない。社交性に乏しい傾向があり、一人を好む。(Wikipeduaから引用)》などなど。

それで、ものすごく納得したというか、それなら、自分の弱すぎると思っていた涙腺も、人に思った事を言えないことも、人の前に立たされて何か言うことそのものが恐怖である事も、他人が全く共感してくれないことが多い事も、学生生活や会社生活が辛いものとなってしまうことも、これは自分が弱いからでも病気でもなく、生まれつきで持ってしまっていて変わることがない性質なのだと知ると、それなら、なるたけ辛くない方を選んだりして生きていくしかないじゃないか。そんなことを思いました。今更ですが、結構歳をとってしまっていますが。知らないよりは良かったなと思いました。

私は、自分の思った事を人に言うのが本当に苦痛です。グループディスカッションは死を意味するほど辛いです。「慣れろ、練習すればできるようになる。甘えている。」色んな場面で、わざわざ私に何か言わせようとする人がいます。でも、そのことは、私には刺激が強すぎるのです。私は、昔から人前でスピーチしろと言われて立っただけで泣いていました。もう感情がいっぱいになって涙が止められないのです。悲しくないのに何故泣いてしまうのか?自分でも分かりませんでした。だから尚更恐怖でした。要するに刺激が強すぎて感情がいっぱいになっていたのかもしれません。やっと理解できました。

話が通じないことってありますよね?もし、全くHSP的な要素を持たない人に自分の悩みを打ち明けて話しても、そもそもそんな感情を持ったこともない人は、その悩みを全く理解できないのかもしれません。ましてや共感もあり得ないでしょう。それは、その人がどうこうではなく、もう生まれつき持っているか、持っていないかだけで、どちらが良いも悪いもない。だから、自分はHSPであることに気がつくのってすごく楽になると思います。

もし、心当たりがある方は、チェックしてみてはいかがでしょうか?調べるとすぐ出てきます。

そのことにやっと気がついて、吉本ばななさんの本があんまり素晴らしくて、色んな気持ちを抱えて考えていたら、また自分を作品にしたくなって作った写真です。今までよく頑張って耐えてきたなっと思った自分を作品にしました。もう存分に泣きなさい!本屋だろうが映画館だろうがね!