Saint Sébastien e Sainte Irène 2019

Saint Sébastien e Sainte Irène 2019

神話シリーズの1作目”Saint Sébastien e Sainte Irène 2019“をアップしました!

毎年、お盆の間に全く新しいインスピレーションがやって来ます。今年はイタリア古典技法で修復を勉強していた頃を思い出す神話と現代が重なり合う物語が生まれました。

神話の中のキャラクターで特に愛しているのが「聖セバスチャン」。いつか聖セバスチャンを自分で描いてみたいと思っていました。大好きな聖セバスチャンの前で私は本当にこんな気持ちで立っています。絵の中の聖セバスチャンと心が通じるような気持ちになります。

聖セバスチャンの神話では、彼が言葉を話さない患者を話せるようにしたとなっています。そして、何本もの矢で殺されかかった聖セバスチャンを聖イレーネが介抱して助けたと言います。そのお話を現代にアレンジしました。

 

「美術館の聖セバスチャンに恋した女性(イレーネ)が思わず彼に刺さった矢を抜いてしまいます。彼は彼女を見て何百年も昔のイレーネだと確信します。しかし、言葉を発することは出来ません。もし叶うならば、言葉を失っても人間となって彼女の側に行きたい。そう思う聖セバスチャン。抜いた矢の跡から血が流れ、言葉となって落ちていきました。」

大好きな聖セバスチャンを描くことができてとても幸せです。

 

この絵の中でも、額縁を描くのは特に楽しくて、絵画修復時代も大好きだった丸い突起が並んでいるところが気に入っています。今回は石膏で盛り上げなどはしていませんが、聖セバスチャンにぴったりな額縁が描けた気がします。この絵、本当に気に入っています!