エリザベス女王様、安らかに

scones

私が大学生の時、初めての一人旅で英国へ行き2ヶ月間語学学校へ通いながらホームステイを経験しました。南回り22時間くらいかかったかなと記憶しています。

まあ色々大変ではありましたが、この英国滞在が自分にとってあまに刺激的な経験だったため、それ以来英国を愛して愛して好きすぎて、色々な国へ旅行に行ったけれど、今でも世界で一番愛している国かもしれません。

一般家庭に滞在できたお陰で、幻想より現実的な側面や暮らし、ちょっと皮肉でパンクな部分を知ることができ、薄くて焦げた食パンが今でも一番食べたくなる食べ物だったりします。王室について言えば、特権階級、植民地、ハイソな暮らしといった様々な面で私の信条とは正反対の世界であるし、ロックを愛する自分にとってはスミスのように本当なら相容れない側の人たちなのかもしれません。しかしながら、二十代で経験したことがあまりに大きく影響している私は、王室の方達のチャーミングな側面も愛さずにはいられないのが正直な気持ちです。

9月8日午後、エリザベス女王逝去の報がありました。私が生まれた時からずっと女王といえばエリザベス2世。その方がもうこの世にいらっしゃらないという事実に落胆しています。特に、ここ数ヶ月の女王は急にげっそりとされ、その笑顔が前とは違うことも気がついていたので、両親を亡くしている私には近い未来に訪れるであろうお別れが見えてしまっていました。それが現実になるのがあまりに早かったです。

私は一番好きな女王の写真があります。女王(当時は王女)の叔父とフィリップ王配(当時はギリシャおよびデンマーク王子)の従兄弟の結婚式会場の庭で、二人が初めて出会った瞬間が写された写真です。まだ子供だったエリザベスと未来のパートナーとなるフィリップ(17歳くらい)がすごーく距離をとった場所で向かい合って立っている姿を遠くから撮った古い写真。表情もぼやけていますが、両手をしっかり前で揃えて微笑んでいるのが分かるエリザベスの姿と、照れたように俯いて立っているフィリップの姿が印象的。二人の距離が二人しか居ない庭での距離とは思えないくらい遠いのがまた泣かせる写真です。

エリザベスの父親は予期せぬ理由で王となりました。だから本来ならただのプリンセスで終えられたはずが、図らずも自分も女王とならざるを得なかった恥ずかしがり屋の女の子が、もしかしたらその時の出会いで一目惚れしたんじゃないかな?と勝手に思っている私は(だって17歳くらいのフィリップさんあり得ないくらいかっこいいですもん)その時の男性と本当に結婚されてきっときっと幸せだったろうなと思うのです。自由のない女王という立場でご苦労も多かったと思うけれど、(浮気やなんやらあったとは思うけど)幸せな時代もあっただろうなと思います。この写真、本当に素敵なので検索してみてほしいな。自分にはそういうことが起きなかったからなおさらかなー。

 

エリザベス女王様、天国で安心してお二人で過ごされますように。

 

王室に対しては色んなご意見もあると思うし、国民生活とかけ離れた特権階級や植民地支配について良いとは思えないのですが、やっぱり女王が亡くなった事実に対して英国を愛する私は無視はできないので一つの時代が終わった印として投稿を残します。女王を讃えるというよりも一人の女性の人生としての96年間お疲れ様でした。と思います。

写真は、私が作った英国スコーンと愛用のエリザベス2世のマグカップです。