新作 ANNA – Paris vu par をアップしました

ANNA - Paris vu par by Kanoko

ANNA – Paris vu par から詳しい内容をご覧ください。

コロナの影響で公開できなかった作品です。2021年の始まりに公開するのが相応しいと考えました。

詳細ページにも書いた、この絵に込めた想いです。


私はフランス映画を愛し、特に1965年のフランス映画「Paris vu par…(パリところどころ)」と、2006年のパリを舞台にした「パリ、ジュテーム」というオムニバス映画が好きです。2019年12月にヌーベルヴァーグのアイコンであるアンナ・カリーナが亡くなりました。2018年に彼女が来日した際に、私は夢が叶ってお会いすることができました。じっと目を見て握手をしてくださった笑顔が蘇り、私は亡くなったことがショックで落ち込みました。

私は常に日常におけるパートナー達を描いてきましたが、今回は私の「パリところどころ」をアンナ・カリーナに捧げる作品として描きたかったのです。アンナ・カリーナ特集を上映中のパリの独立系劇場に集まる映画を愛する人々。アンナ・カリーナの象徴である赤とフランスのトリコロール。私が最も大切にしている日常の風景の中でフランス映画とアンナ・カリーナへの愛を表現しました。アンナ・カリーナは今も映画と私たちの心の中にあるのです。

私は日本を意識した作品は作りません。作中の人物も国籍や人種ははっきりしないのです。ただし今回は、パリの何処かであるということだけは意識して描きました。パリの方達にも何処かで見かけたかも?と感じて欲しいと思いながら描いていました。アンナ・カリーナや映画を愛する人達を描くことを通してフランス文化に敬意を表しました。

私の作品に一貫しているのは人と人との関係です。人は誰かを愛し、裏切られ、傷ついても愛を諦めません。アンナ・カリーナにお会いした時こうおっしゃっていました「私は自分から何かを求めたことがない。自分は愛されている。そう信じていたから、みんなに愛され全てを与えられた」と。今そう感じられない人がいても、自分が愛される存在であると信じられる日が来るようにと願って作品を作っています。

私は何でもない日常を送る人々を見るのが一番好きです。窓の向こうの日常に思いを馳せて旅をするのが好きです。今回の作品はパリの何処かにきっとあるような場面を切り取っています。その日常の中に、映画への愛、その国の文化への愛、愛すべき人々、そして私からの愛を込めました。誰かの素晴らしい日常が私の絵の中で永遠に輝いているように、この絵を見る方達の愛すべき日々に喜びが続きますように!