2月20日から東雲のTOLOT/heuristic SHINONOMEで開催されているアニー・リーボヴィッツの世界10都市巡回展へ行って来ました。
アニー・リーボヴィッツはローリングストーン誌で写真家としてスタートし、後に肖像写真家に転向。誰もが撮って欲しい!と切望し、各雑誌社がその写真を載せるとたちまち話題になることで有名です。ジョン・レノンとヨーコの最後の抱擁写真も彼女の代表作です。ドラマチックな演出と質感の作品とともに、彼女の人生もまた驚く事が多く女性としても尊敬する写真家の一人でした。ドキュメンタリー映画もとても素晴らしいのでぜひ観てみてください。
この写真展は、1999年、スーザン・ソンタグと共同製作した「Women」というプロジェクトが主に展示されています。実際の写真は少ないのですが、上の写真のように大きなパネルに流される作品が沢山観られるので見応えがあります。
被写体となった女性たちの美しい事といったら!美しいというのはモデルや俳優だからではなく、年齢、職業、容姿、有名無名関係なく、意思ある存在として写真の中から発せられる美しさが半端無かった。日本にいると、子供っぽくて抜けていて何も知らないみたいな隣にいる的女の子が注目の的。男性にモテる事が第一の興味でそれ風の容姿になろうとする。それから外れると、ブスだばばあだと言われるのが当たり前みたいになっている。もう人生を捨てろとでも言われている気分になる。でも、アニー・リーボヴィッツのカメラを通して私を見つめる彼女たちは、自分は自分として生きている。そういう意思を感じました。だから、美しい。私は胸がいっぱいになりました。
自分も年を経ることが怖くない。その時の美しさはあるんだという事をはっきりと知らされたような気がします。
私が特に惹かれたのがこの女性。沢山の本が積まれた書斎でこちらを見つめる眼がとにかく美しく、知的な妖婉さがありました。頭の良い女性がその美しさも認められる社会になって欲しい。私の思いがそのまま現れてくれたような写真でした。
女性って美しいのです。ある年齢を越えたから、体型がどうだから、仕事が何だからで美しさが終わるのではないのです。リーボヴィッツはその大切な部分をはっきり写し取る事ができる人です。
流れるビデオに世界のスーパーモデルを撮った有名なモノクロ写真があるのですが、不思議とそのモデルたちより他の無名女性たちの方が輝いてました。実際に見に行ってみてください!
私は人生のどの時期を切り取っても女性が美しい事を作品や自分の生き方で表現したいと思っています。その気持ちをはっきりと確認出来た写真展でした。