高橋コレクション展 @ 東京オペラシティアートギャラリー

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現代美術は恋愛に似ています。
「あなたの彼氏なんなの!あんな人やめなさい!」
「あなたに言われたくないわ!あなたの彼氏とは私、絶対に付き合えないもん!」
こんな会話が永遠に繰り返され、どんなに自分の彼氏自慢をしたって自分以外の誰にもその心は理解不能なのです。

高橋コレクション展を観ていて、ずっとそれを考えていました。
高橋さんのお眼鏡にかなった画家たちの作品が並ぶ中、絶対好きになれない作品も多かったし、これ良いなと思う作品もある。でも、他の人が観たらそうでもなさそう。。結局、好きか嫌いか、もうそれをそれぞれの感性にお任せするしかありません。

そんな感想はさておき。「高橋コレクション」は、東京在住の精神科医、高橋龍太郎さんが1997年から収集を始めたコレクションです。以前は日比谷にギャラリーがあって、合田誠、山口晃などの展示を観に行ったことがあります。現在は日の出に場所を移しています。そのコレクションから52作家、約140点を集めた展覧会です。

草間彌生、村上隆、森山大道、束芋、Mr.、奈良美智などなどの今を輝く現代美術家が集まっていました。日比谷の頃に観た作品も多かったですが、あの頃、高橋コレクションは、常にピリピリとした尖った作家をいち早くコレクションしているという印象でしたが、高橋さんが作品を購入した頃は、これらの作家もまだ高額な値段を付けていなかったのだとか。その見る目の尖り度も凄い方ですね。

ああやっぱり購入してるんだなーという作家や、私の知らない作家も含め、どういう基準で目を付けたのか?聞いてみたくなる作品も多々ありました。というか、私は全然好きじゃなーい!でかい作品創れば良いってもんじゃないだろ!と、突っ込みを入れながら観たり、、しておりましたが。人って誰一人同じ考えの人はいないという確信が持てただけでも面白い。いや本当に。

村上隆さんとMr.が同じブースに並んでいたり。ちょっと複雑な感慨を覚える展示方法もあったりと、とにかく色々考えちゃいました。

私は、安藤正子さんの《スフィンクス》という作品に興味を引かれました。少女の表情(やっぱりメランコリー入ってるからか?)や胸の表現、バックの平面な感じと色、とても私好みです。安藤正子さんは覚えておこう。

嫌いな作品は、書いてもしょうがないので書きません。私にも好き嫌いがあるように、私の作品に色んな意見が集まるのも仕方がありませんねー。もう美術ってそういうものです。でも思ったのですが、「嫌い」という感情を人にもたらすこともまた、作品が発する何かがその人の何かに刺さっちゃったということだから全然OKですね。

感動した訳ではないけれど、自分と、そして目の前の絵と話しながら観た面白い展示でした。
しかし、これが個人のコレクションってすごいなー。