Ingrid Fuzjko Hemming Piano Soro Concert 2016

fuzjko hemming

夢が叶って憧れのフジコ・ヘミングさんのソロコンサートを東京オペラシティで聴く事ができました。

バルコニー席の一列目という幸運に恵まれ、フジコさんのピアノのタッチを頭上から観る事ができました。フジコさんの演奏を見つめていたら胸がいっぱいで、一曲目からずっと泣いていました。「音色」が一番大事とおっしゃるフジコさんのピアノの音はまるで滴る水が鍵盤をたたいているかのよう。どうしてあんな音がでるのでしょう。

私が世界で一番と二番に好きな曲、ショパンの「ノクターン」とドビュッシーの「月の光」両方をフジコさんの演奏で聴けたのです!

私はとても悲しい思い出からピアノ曲を全く聴けない時期がありました。ピアノを見ても胸が痛くてピアノというものを拒絶していた辛い期間。でもある時、フジコさんのドビュッシー「月の光」を聴いて、その音に胸をうたれピアノが聴けるように戻り、その日から毎晩「月の光」を聴いて泣いてたのです。でもそのお陰で立ち直りました。

私を元に戻してくださったフジコさんの演奏を生で聴く事が夢になったのです。そして東京オペラシティで聴けたらという想いが叶いました。

プログラムには「月の光」がありませんでした。残念に思っていたら二部の始めにフジコさんからプログラム変更のお知らせがあって、熊本へ贈る曲として「月の光」、亡くなった音楽学校の先生のためにもう一曲加えられる事になったのです。私はもう胸がいっぱいです。

フジコさんは現在83歳。「ラ・カンパネラ」を弾いている姿はもう神様みたいでした。「ラ・カンパネラ」を最後に弾き終わり、アンコールの拍手に応え「沢山汗をかいて暑いし、これからまたもう一曲大作を弾くのはごめんですので、トロイメライを弾いて終わりにさせていただきます。」とおちゃめにおっしゃったのが可愛かった。

ご存知の通り、衣装はキラキラで中世のゴシックっぽくて超個性的。イカしてました!衣装替えの二部は紫の着物風ドレスに真っ赤なベルト風の布がアクセントになっていて素敵。ゴスっぽい靴を合わせて髪飾りももちろん付けてらっしゃいました。舞台を去るとき、お客様に手をチャーミングに振るのがとっても可愛らしいのです。

東京オペラシティも素敵だったし、おしゃれしてクラシックを聴きに行くことも最高に気分が良かったし、何より憧れのフジコさんのピアノの音は天使みたいで最後まで胸がいっぱいで本当に幸せでした。

私も80過ぎてもイカした女性で生き続けます!フジコさんありがとう!

一部
・F.シューベルト「即興曲 第3番 変ト長調」
・M.ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
・F.ショパン「エチュード 第12番 ハ短調「革命」
・F.ショパン「ノクターン 第2番 変ホ短調」
・W.A.モーツァルト「ソナタ 第11番 イ長調 ドル行進曲付き」
二部
・C.A.ドビュッシー「月の光」
・C.A.ドビュッシー「雨の庭」
・音楽学校の亡き先生へ贈る曲(題名が分かりません)
・F.リスト「パガニーニによる大練習曲 第6番 イ短調「主題と変奏」」
・F.リスト「ため息」
・F.リスト「ラ・カンパネラ」
・アンコール「トロイメライ」