グッバイ・ファーストラブ その2

un amour de jeunesse2

私、どうしても言い足りない。『グッバイ・ファーストラブ』が何故良いか。
誰も言ってる様子がないから私が言わなくちゃなの。

『グッバイ・ファーストラブ』が最高なのは、主役の二人のキャスティングが最高だからだけど、特に良いのはシュリヴァンをセバスティアン・ウルゼンドフスキーが演じたからなんだと!

『グッバイ・ファーストラブ』を観て思い出すのは、ロイ・アンダーソンの名作『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』。あの作品も女の子役が雪のように美しいのだけれど、私が今一感情移入出来なかった理由に、主役の男の子があまりに幼くて可愛くない(本当に申し訳ない感想だけど)ところがもう決定的だったんです。

子供のラブストーリー観てもあまり面白くない。でも、『グッバイ・ファーストラブ』はそこの不満をセバスティアン・ウルゼンドフスキーが解決していると思うのです。彼が実際は当時25歳くらいの大人である(1985年生まれ)ことで、観ている人が子供同士の恋愛を観てるっていう甘酸っぱい居心地悪さをあまり感じないんじゃないかと思う。

映画って、冒頭のシーンが絶対大切だと思うけど、私は、シュリヴァン役の彼が自転車で冬のパリを疾走しているシーンで完璧にやられてしまった。彼が主役なら大丈夫。この映画きっと好き。もうそのくらい良い。男性として素敵。で、彼が家に着いて「高校を中退する」って言った時、高校生かよ!と突っ込みを入れちゃったので、確かに高校生を演じるには大人過ぎるかもしれないけれど、あまりに繊細なカミーユが全てを捧げている相手には、このくらいの男っぽさが必要な気がするのです。

私が『スウェーディッシュ・ラブストーリー』で引っかかり続けていた不満をやっと解消してくれたラブストーリー登場!そういう感じを持って観ていた。

どなたかのブログでは、カミーユがあんなもっさりした男を好きになるのは不思議という感想の男性がいらっしゃったのだけど、男性からしたらもっと美しいアイドルっぽい男性を好きになるような気がするのかもしれないけれど、少女のようなカミーユには、シュリヴァンみたいな男性が良いんですよ!そこは、女性にしか分からないかな?

この映画をこんな要素でここまで熱を入れて語っても意味あるのかはさておき。私にはとても重要な部分。監督がどうして彼をキャスティングしたのかを聞いてみたい。ベルリン出身で名前からするとドイツ系なのではと思うけど、その辺を質問しているインタビューを見つけられなかったので、チャンスがあったら絶対聞いてみたいです!って、私にそんなチャンスは永遠にないと思われますが。。

あーーーーすっきりした。これを熱く語ってこそ、この映画の神髄。なのに、シュリヴァン役を褒めてる感想を全然見かけず残念無念な私。確かに役としては情けない中途半端な男子って設定だからかなあ?でも良いです!絶対!

『グッバイ・ファーストラブ』は観て損はないですー!お勧め!