DRIS VAN NOTE INTERPRETATION, TOKYO

dries van noten

原美術館で3日だけ展示があったDRIS VAN NOTE INTERPRETATION, TOKYOに行きました。

ドリス氏所蔵の7世紀の画家エラルート・デ・レイレッセの巨大絵画からインスピレーションを受けた作品制作をドリス氏が選んだ作家6人に依頼した展示となります。つまり、ドリス氏自ら描いた作品というわけではないので、彼の世界観が展覧会全体に統一されて展開されているのではなく、必ずしも私好みの作品が並んでいたわけではないので残念ながら私を興奮させる展示ではありませんでした。17世紀の巨大絵画は本物なので、それが観られたのは古典好きな私には良かったところです。

唯一、佐藤允さんの作品が興味深かったので図録を見てみると、彼のアーティスト写真が大変好みの良い写真を使っており、私はアーティスト写真は作品と同じくらいの意味を持っていると考えているので、彼のことが大変気になったところです。ホームページを見ると、とても好きな作品を制作されているので、個展などあったらぜひ行きたいと思います。

会場には、洋服が大好きそうなおしゃれな若い人が結構来ていましたが、彼らが期待するような雰囲気の展示ではなかったんじゃないか?と余計なお世話を考えながら、2階で先日終わったばかりのソフィ・カルの展示が少し残っていたので観てみると、むしろそちらに心打たれてしまった私です。だって作品に「5日前、愛していた男に捨てられた」と書いてあるんですもの。ニューデリーで恋人に捨てられた出来事が作品となっていて、それこそが創作の源だよ。これを作品にしなくて何をするというの?と共感半端ない私は、一人興奮してしまいました。日本への3ヶ月のレジデンスが通ってしまい、彼と離れ離れになってしまったばっかりに、男に捨てられた!日本滞在を後悔している!なんて堂々と言ってしまうソフィ・カルさんが好きになってしまいました。

こうしてみると、美術における人々の興味、共感というものは全く個別で交わらないところは全く交わらないものだなと深く思いました。